大人のADHDは治るのか?具体的な治療・対処方法を紹介します

「仕事がうまくいかない…」

「周囲と同じようにやっているのにミスをしてしまう…」

「なぜかいつも俺だけ上司に怒られる…」

社会人なら、誰もが一度は感じたことがあるはずです。

でも、何度も同じミスを続けたり、改善されない人っていますよね?

近年、大人の発達障害が注目されるようになりました。私自身、ADHDの傾向があります。

もしかして、それって大人のADHD(注意欠陥・多動性障害)かもしれません。

前回は原因から診断を説明しましたが、今回は治療(子どもの場合は支援)の方法を紹介していきます。

 

大人のADHDの治療する上でのポイント

ADHD治療の目標

実際に治療をすると言ってもどこまで治療すれば良いのかわかりません。そもそも、病気ではなく個々に備わる特性なので人によって差もありますし、ADHDでも不自由なく社会生活を送っている人はたくさんいます

そこで今回は以下のような状態を目標とし、治療方法を紹介していきます。

  • 職場や学校、家庭での悪循環が好転し、自信を取り戻して自分の特性と折り合えること
  • それによって本人、周囲共に充実した人生が送れるようになること

治療する上での心構え

  • 周囲からの理解、サポーターを得ること
  • 一人でもできる自分の対処方法を身につけること

「注意欠陥」、「多動性」、「衝動性」をなくすことだけが治療の目的ではありません。徐々に症状が改善していく、今までの悪循環から抜け出せるようになり、少しずつですが成功体験を積み重ね、自信を取り戻していきます。

 

ADHDの治療方法

大きく分けると2つに分けられます。

  • 環境調整などの心理社会的治療
  • 薬物療法

環境調整などの心理社会的治療

学校職場で気をつけること

  • 急に言いたくなったことは、3秒間自分の中でグッと我慢し考えてから発言するようにする。継続することで、少しずつ我慢ができるようになります。
  • 細かい計算や書類作成など自分が苦手なことは、誰かに相談するかお願いするようにする。苦手なことをやらない!
  • 指示は短く、シンプルに言ってもらうことで記憶の保持に繋げる。事前に「私はこのような症状があるので…」と同僚や上司に伝えておく。
  • 大きな失敗はそれ以降、自分の「ブラックリスト」に入れ、極力やらないか遠ざかるようにする。メモを作って忘れないように!
  • 困った時は、とにかく家族、友人、同僚を頼るようにする。これが一番!ADHDの人は何でも自分でやらないと気がすまない人が多いです。

日常生活で気をつけること

  • イライラした時には、クールダウンできる場所を用意しておく。部屋の片隅、トイレ、押入れでもOK!
  • 壁のポスター、テレビの音量など集中の妨げになる事柄をとりのぞく。外的な刺激によって集中力が切れてしまいます。自分のADHDの友人は部屋に余計なモノを置かず、まっさらな部屋で生活をしています。
  • 道具(メモ帳や携帯電話のアラームなどの)をうまく活用する。なんか、LifeHackっぽいですね。でも、すごい大事なことで自分の行動を強制的に操ることはとても重要です。
  • 予定は共有ボードに書き出して、家族に一声かけてもらうようにする、さっきのと似ていますね。しかも声をかけてもらえるので一石二鳥です。
  • 出かける際に必要なものは、置く場所を決めておいて、必ずそこで管理する。「鍵がない!」、「財布どこだっけ?」そんな方におすすめです。

対人関係で気をつけること

  • 自分の症状や特性を説明し、理解をしてもらえるようにする。←かなり勇気がいる!けど、言った後という前では「今までの生きづら差って何だったんだろう」ってくらい変わりますよ!
  • 自分を過信して安請け合いせず、必ず相談してから返事をする。ADHDの症状の一つに何に対しても「YES!」と答えてしまう方が多いです。信頼できる人に相談してから決めるようにしましょう。

ペアレントトレーニングを活用する

ペアレント(親)トレーニングは親が子どもの行動変容における心理やパターンを理解・分析し、問題行動を適切な対応で減少することのできる技術を獲得することを目的としています。  参照:軽度発達障害フォーラム

「ペアレントトレーニング」の考え方を、周囲の人との関係性に応用することができます。大人になってからは、親にやってもらわなければならないということはありません。パートナーや友人、同僚に学んでもらうことも選択肢のうちの一つです

ADHDの薬物治療について

どのような作用があるのか

ADHDでは神経伝達物質であるドーパミンノルアドレナリン不足して、脳内での情報伝達が不十分なため、ADHD症状があらわれます。

現在、大人のADHDの治療薬として承認されている薬剤は以下の2つです。

  • 注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)
  • 中枢神経刺激剤

これらの薬剤はドーパミンやノルアドレナリンの不足を改善し、情報伝がスムーズに行われるようになり、ADHDの症状を改善すると考えられています。

上記の図のように薬を服用すると、トランスポーターに結合してドーパミンやノルアドレナリンの再取り込みがなくなります。要は正常にドーパミンやノルアドレナリンが分泌されるようになります。

薬の服用期間について

  • 生活上の「生きづらさ」が改善され、それが十分な期間維持できた段階で、その後の治療の必要性をお医者さんと検討します。
  • 薬は必ずしも一生飲むものではありません。

副作用はあるのか?

みなさんが一番気になるところですよね。

主な副作用としては、吐き気や食欲減退、喉が乾く、頭痛などがあります。この他にも、薬特有の副作用がありますので詳しくは医師に落お問い合わせのうえ、ご相談下さい。

僕が教員時代に見ていきた中では、そこまで副作用に苦しんでいるひとはあまり見たことがありません。むしろ飲まないことで朝からグッタリしている子は何人か見てきました…

 

ADHDの人の就労や転職について

ADHDの特性

ADHDの特性は、生活や仕事をしていくうえで支障をきたすことも多いです。しかし、一方でADHDの特性を持ちながら社会で活躍している人もたくさんいます

向いている仕事 :起業家、営業職、プロデューサー、音楽家、ゲームソフトやコンピュータの政策・開発、その他クリエイターなど

向いていない仕事:乗り物の運転士、事務職、経理職、検品作業、校正作業

就労支援事業者の利用といった福祉施設の利用について

仕事を探すにあたっては、各種の支援機関を利用することができます。

  • 発達障害支援者センター

発達障害のある人とその家族が心豊かな生活を送れるように支援することを目的にしています。さまざまな事業を展開していてハローワーク(公共職業安定所)などの他の労働関係期間と連携して様々な情報を提供してくれます。 参照:大人のためのADHD.co.jp

  • 就労移行支援事業所

就労以降支援は、障害者総合支援法で定められた障害福祉サービスの1つです。企業に就労したい障害の人が職業訓練を行うだけでなく、就職支援から就職後の職場定着支援まで一貫した支援を受けられるのが特徴です。 参照:LITALICO発達ナビ

  • 地域若者サポートステーション(サポステ)

地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳〜39際までの若者に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行っています。参照:厚生労働省

周囲ができるADHDへの対応

苦手なことは周囲がサポートする

ADHDの人が問題を引き起こしてしまうのは本人のせいではありません。脳のかたよりによって自分をコントロールすることができないからです。そのことを理解した上で接することが大切です。

苦手なことはどんどんフォローしてください、その安心感が信頼に繋がります。最終的に自分の口から言えるようになれれば100点満点です。

怒りのサインを見つける

ADHDの人が激高したら、いったん退き、怒りが収まった後に冷静に話し合うようにしましょう。また、なにが怒りの引き金になったのかを把握することもそのような場面を避けるには重要です。

本人にいかに失敗をさせないかが重要です。怒ってしまったあとは自分を責めるようになってしまい「生きづらさ」を感じるようになってしまいます。

良い行いは言葉にして伝える

ADHDの人は、自分に対する評価が極端に低いです。幼少期の頃から褒められることがあまりないので「自分は何をやってもダメなんだ」などと気に病んでいる人も多いです。

努力していること、頑張っていることを必ず声に出して、褒めてあげてください。それにより本人の自己肯定感につながり、症状の改善にも繋がります。

 

最後に

ADHDの人は職業人生において様々な困難に立ち向かわなければなりません。しかし、その特性を上手に利用すれば、弱点ではなく強みになります。

僕は、弱みは考え方次第ではいくらでも強みになると思っています。

 

 

 

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